歯並びの治療について(12)不正咬合の治療について(その6)

それでは保定装置とは何でしょう。新しい位置に移動された歯並びをその位置に保持しておくのが保定装置です。
保定装置には、いろいろの種類があり、使う目的や使われる場所によって、また患者さんの状況等を考慮して矯正歯科医が選択します。ここではその中から普段よく使用される一般的なものをのべます。
保定装置(リテーナー)には患者さん自身で口の中から外すことができるものと出来ないものがあります。取り外しの出来るものというのは、通常ピンク色をしたプラスティックの顎にあたる部分と歯の周囲を取り巻くワイヤーの部分から成っています。
取り外しの出来ないリテーナーは通常、歯の裏側にワイヤーをじかに矯正用接着剤で接着固定してしまうタイプです。
取り外しの出来るタイプは、歯を動かしている期間が終了しましたら、矯正の器械をはずす前に、型を採って石膏模型をつくりその模型上で歯科技工士さんが作製します。そして、矯正装置の除去直後にこの保定装置を装着します。そして通常、当初は24時間装着します。外して良いのは食後のブラッシングの時だけです。少なくともこの期間は6カ月から1年位は必要です。慣れるまでしゃべりづらかったり食事も不自由になりますが、一時的な困難さです。せっかく矯正装置がはずれたのだからリテーナーなど無い、きれいな歯で自由に会話したり、食事したりしたいのはよくわかりますが、折角の治療が台無しになるか長く保たれるかの瀬戸際です。後悔先にたたずです。そのようになったらまた治療をしなおさなければならないこともあります。人によって異なりますが、5日から10日位でほとんどの方が慣れていきます。人に会うから、少しの間だからといろんな理由をつけて、ちょいちょいはずしてしまうと、慣れかかってきてもすぐに感覚が戻り慣れるのがより困難になります。どんな方でも必ず慣れますので、とにかく外さないでピタッと装着しておくことが肝心です。
取り外しの出来ないリテーナーについては次号で述べましょう。(この項続く)


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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