歯並びの治療について(13)不正咬合の治療について

保定装置の続きで取り外しの出来ないタイプについて述べましょう。
取り外しの出来ないタイプは固定式保定装置ともよばれますが、ほとんどの場合、ワイヤーを歯に直接接着する方法です。必要によって歯並びのどこの部位でも用いられますが、通常下あごの前歯の内側に用います。この場所は、最も後戻りの発生が生じやすい場所ですから、より強固な保定装置が必要になるのです。下の前歯は歯の形も細く、サイズも他の場所と比較しても最も小さい歯なのです。この前歯の裏側、通常犬歯から犬歯までですが、先ずこれらの歯の裏側のそりに合わせて、ワイヤーを屈曲します。このワイヤーは単純な一本のワイヤーのこともあれば、3~5本くらいの細いワイヤーをあわせたこともあれば種々あります。この屈曲は患者さんの歯にあわせて診療室で行うこともあれば、型を採った石膏模型上で技工士さんが行うこともあればいろいろです。ワイヤーが出来上がったら、歯の表面を酸処理して歯科用接着剤でボンドします。犬歯から犬歯までですと6本になりますので、この6本の歯がひとつのものに連結されるわけです。連結されてしまいますので個々の歯は一体化して動きません。そのため、後戻りを防止する上では至極合理的で保定装置としては最も効果的です。
しかし、それまで行ってきた固定式の矯正装置とあまり変わりませんので、予防的な歯磨きについては全く同様に、細かいブラッシングとチェックが必要になります。通常、中学生以下ですと保護者の方々の手厚いブラッシングおよび点検が必要です。ブラケットがついているときも同じですが、熱心にみてくれるご両親は少ないことが多いと思われます。矯正装置あるいは保定装置を入れていて虫歯になっては何にもなりません。この固定式保定装置は通常2年以上装着します。通常2~3ヶ月毎にチェックしますが、ワイヤーのゆるみ、接着剤の破損があれば途中でも点検してもらう必要があります。ワイヤー全体が取れてしますと、気がつかないで、あるいは、もし食べ物と一緒に飲み込んでしまうと極めて危険ですので、患者さん自身、あるいは保護者の方の点検が極めて重要です。歯が安定してきましたらこれを除去しますが、患者さんが我慢でき、管理がよければできるだけ長期に装着しておいたほうが後戻りを防止する上では効果的です。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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