歯並びの治療について(14)自然成長誘導法(その1)

最近、自然成長誘導法という比較的新しい考え方が出てきました。
これは不正咬合そのものの成り立ちを後天的なものとして、先天的な原因をあまり考慮していない点に特徴があるひとつの考え方とその治療法です。何故かと言えば、不正咬合の原因が複雑で、なかなか解明できなかったことにより対症療法が主になっていたきらいがあります。これはどの医科や歯科治療でも言えることで、原因をつきとめ根本から治療するということが難しいからです。
例えば熱が出たから解熱剤、頭痛がするから鎮静剤、歯が痛むから鎮痛剤、しみるから薬剤をつめたり歯髄(歯の神経)を除去してしまう等の対症療法と同じ方法です。そこで、不正咬合の成り立ちを環境的なことに結びつけ、環境的な原因により発現した不正咬合を改善するための方法として考えられました。この理論と治療方法を考案、実践したのはイギリスのJohn Mewと言う矯正歯科の先生です。Mew先生はお父上の診療所を継承して矯正歯科治療を行っていましたが、後戻りが多いことに着目しました。そして単に歯並びの悪いところを拡大して治療するだけでは、後戻りが生ずることに気がつきました。そして不正咬合は歯並びだけの問題だけではなく、歯を取り巻く口腔の機能、呼吸、物を飲む嚥下などが関連して、顔の成り立ちに深く関連するという自然成長誘導法という治療体系を編み出しました。
我々人間は主に鼻で呼吸していますが、口でもしています。風邪を引いたりアレルギーで鼻がつまると口だけで呼吸するようになります。当然のことながらいつも口を開いているようになります。人は生まれたばかりの時は口を閉じ鼻で呼吸をしていますが、4-5カ月すると口でも呼吸するようになります。これは部屋の中の埃(ハウスダスト)や空気汚染により鼻つまりが始まったためと考えられます。(この項続く)


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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