歯並びの治療について(16)自然成長誘導法(その3)

口呼吸による影響は顔にも出てきます。
前回にも述べたように口呼吸をしていると下あごが後下方に位置するようになります。そこで咬み合う上あごも下方に伸びてしまうようになります。その結果、上あごの前歯が下方に位置するようになり、咬み合わせ全体が下方に下がってくるようになります。
前歯と奥歯を結ぶ線があるとすると、その線の全体が下方に位置するようになります。これをどのように表すかといいますと前歯の先端と鼻の先端を結ぶ線、これをインディケーターラインといいます。このインディケーターラインの長さは、ミュー先生の説によりますと18歳以前のお子様の場合は成長に伴って、1年間で1mmずつ増加していくと言われています。
歯並びの良い正常咬合者の場合は、このインディケーターラインの長さが理想値に近くなりますが、不正咬合者の場合は理想値よりも大きくなる傾向があります。自然成長誘導法では、このインディケーターラインを患者さん毎に計測して治療の進行具合の参考にしています。ミュー先生はこの値が、2.5mm以上大きい場合は矯正治療をした方がいいと言っているほどです。
歯並びのよい正常咬合者の場合は、顔の発育が水平的になると言われて、前方方向に発育する傾向が強くなります。その長さが理想的な長さと比較して、不正咬合の人の場合は長くなります。不正咬合の人の場合はこのように垂直的な長さが長くなり、あご全体が下方に位置するようになるので、垂直的な長い顔になります。また、頬の部分も前方発育傾向の強い正常咬合者は前に出てきている感じになりますが、不正咬合者の垂直傾向の強い人は平坦な感じになり面長な状態になります。
このように、ミュー先生は顔の状態を見ることが大切であるとして、歯並び直接よりも顔の診断の重要性を治療の中に取り入れています。(この項つづく)


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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