歯並びの治療について(18)自然成長誘導法(その5)

今回はステージ3についてお話ししましょう。
この矯正装置はいわばトレーニングのための装置です。口唇をいつも閉鎖し、舌を上あごにあて、顎が前方方向に行くように習慣づけるための器械です。装置はプラスティックとワイヤーからできていて、上あごに装着し、上あごの奥歯に固定できるようにワイヤーでつくったバネがあります。両手で器械全体をしっかり把持し、口に運び、先ず上あごの奥歯にバネを固定させます。そして前歯のところに器械を固定させ、上あご全体に装着します。
その後、下あごを合わせるのですが、コツがあります。只むやみに下あごを合わせようとしても絶対に合わないのです。下あご全体を前の方にずらし、ゆっくりと器械に合わせるように、歯を閉じていくのです。器械の下あごに当たる部分に、前後左右に7-8mmのプラスチックの突起があります。下あごを前の方にずらしながら歯を閉じていかないと、口の中の内側が器械に当たり、痛く感じてしまうのです。歯を閉じていくと、あごを前に位置した状態でこの器械を介して咬むことができます。その状態で器械が保持され、患者さんには口唇も閉じているようにしてもらいます。歯が前に出た状態で閉じ、鼻で呼吸をしていれば痛くはありません。
しかし、歯を開けたり、あごを後にずらしたりすると、その突起が口の中の粘膜にさわり痛みを感じるのです。ですからいつも歯を器械に合わせ、口唇を閉じ、鼻で息をするように習慣化されるのです。最初慣れないと、お子さんによっては口の中が大きく占領されるので、つらく感じますが、ほとんどの患者さんは慣れていくと、この状態で学校ですごしたり、寝ているときも着けられる様になります。
しかし、何のためにこれを使うか、保護者の方によく理解していただかないと、患者さん本人にも使いこなせないこともあり、充分説明をしてから、だんだんに使用していただくことが大切です。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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