歯並びの治療について(20) 治療時期

よくいろいろな方から尋ねられる治療時期について考えてみましょう。
矯正治療の開始時期はいろいろの考え方があります。成長発育の旺盛な時期がいいことは言うまでもありません。乳歯は2歳半くらいで乳歯の歯並びが完成しますが、反対咬合で上あごの発育が足りないことが確認できたなら上あごの前方牽引の処理が必要です。5歳半から6歳半にかけて、6歳臼歯が生え、前歯が乳歯から永久歯にかわり発育が盛んです。このころ反対咬合や前歯の位置異常が見られることが多く、早期からの治療や定期的な管理が必要なこともあります。
さらに、指しゃぶりや口呼吸などが原因で前歯の噛み合わない開咬になることは以前に述べた通りです。原因がはっきりしていれば、その対策をすれば効果的に改善されますが、なかなかその原因が見つからないことが多いので、不正咬合の状態は複雑になるのです。いずれにしても、何か不正が見つかった時や、気になる歯並びになった時が、広い意味での治療開始時期と考えていいと思います。永久歯の歯並びが完成してからと待っている場合もありますが、不正は不正ですので、不正な歯並びが見つかったときは早めに対処して、改善し、環境を整えてあげることは大切なことです。成長発育期に行うことが望ましいのは適応性が高く、新しい位置に歯が安定しやすいためです。
最近、成人の矯正治療希望者が増加したことと相まって、学問・材料の進歩発展が著しく広範囲に治療が行われるようになりました。3歳位から50-60歳代まで患者さんがいます。口の中、歯、歯槽骨、歯肉の状態などの条件が整えば何歳でも矯正治療は可能です。歯周病で多少、歯が動いている場合でも矯正してから連結して固定すると効果的です。義歯をつくる場合も、矯正後、最終義歯を入れることもあります。矯正治療は単独の治療でなく、それぞれの治療に組み込んで行われることも多くなってきました。矯正治療を加えることにより、歯並びが整えられ、口の中が機能的にも外見的にも、全体的に良好な結果が期待できるようになるのです。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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