歯並びの治療について(27)楽器

今回は矯正歯科治療と吹奏楽器演奏です。
最近、小学校高学年から中学、高校にかけて学校の音楽部活動により吹奏楽器の演奏が盛んになっていますが、この吹奏楽器は少なからず歯および歯ならびに影響を与えてます。練習が非常に熱心で、ウイークデイは3時間、土曜・日曜はほとんど一日とまじめな学校、児童であればあるほどその影響は強いように感じます。
吹奏楽器は前歯で強くかんだり、口唇を強く押し当てて、楽器の音を出したり、音色を調整したりします。まず、トランペット、コルネット、トロンボーン、チューバ、アルトホルンですが、これを演奏する場合、下顎を前方に出し上下の歯がまっすぐ咬み合う位置で唇をマウスピースに押し当て、息を吹き込む様にして唇を振動させ音を出します。ですから、力のかけ方によっては上顎前突の症例では上唇を内側に押しますので問題ありませんが、反対咬合の症例では逆に矯正治療装置による効果を失わせるような力になるかも知れません。次に、クラリネットやサキソフォンですが、これは上下の前歯でマウスピースを咬み、リードを息で振動させますので上の前歯を前方に、下の前歯を後方に押す力となって働きます。そのため反対咬合の方には力のかけ方によっては良好に働きますが、上顎前突の症例には悪化させる方向に働きますし、矯正装置の効果を喪失させることが考えられます。また、フルートは下唇に楽器を押し当て、上唇を下方に伸ばすようにして演奏しますので下顎が後退している上顎前突ではそれを悪化させるような状態になりかねません。
以上の様に、吹奏楽器はその特有な機構のため、口の周囲や歯、歯並びが直接その演奏に影響します。楽器の選択にあたっては充分、矯正歯科医と相談された方がいいと思います。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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