歯並びの治療について(28)後戻り

今回は矯正歯科治療と後戻りの問題を考えてみましょう。
以前にも述べましたが、矯正治療した歯並びは必ず動くものです。どんなに良く矯正治療を行っても、歯の位置というものは移動しないわけではありません。移動した歯が絶対動かないで、その位置に留まってくれていればそれに越したことはありませんが、そのような訳にはいかないのです。ですから、治療が終わった後の管理が重要です。保定装置(リテーナー)の使用が重要ですが、誰でも矯正装置をはずした直後は真面目に使ってくれますが、少したつと油断して使わない人がいます。最初にちょっとだけのつもりでも、使っていない時の快適さを味わうとまたはずしたくなります。つまり、装着しているときが普通の感覚になればよいのですが、はずしているときの感覚が通常の状態になると装着しているときは特別な感覚になっていまうのです。これでは使っていないのと同じになり、歯はどんどん動いていきます。矯正歯科医の指示通りきちんと使うことが最重要なことは言うまでもありません。きれいに並んだ歯並びも、どこかの歯がムシ歯になると歯並びも崩壊していきます。ムシ歯になると歯の形が崩れ、その歯に噛み合っていた歯や隣接している歯との関係が崩れていきます。また、歯周病になり歯がぐらぐら動いてくると、これも歯並びのバランスを壊す原因となります。一カ所の崩壊が全ての歯に波及してくるのです。
保定期間の終わり頃には週に一晩位リテーナーを装着するようになります。この時期になりますと患者さんもすっかりリテーナーの使用に慣れ、全く億劫な感じはなくなります。このリテーナーの使用は矯正歯科医の監督を離れても、壊れたり、なくさない限り使用し続けると安全です。何か少しでも異常を感じたり、不安に思うことが出てきたら矯正歯科医になるべく早く相談した方がよいでしょう。一年に一回位はムシ歯や歯周病のチェックを含めて、矯正歯科医に定期的に健診してもらうことをおすすめします。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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