歯並びの治療について(30)外科 

今回は外科的矯正治療を考えましょう。
成長期を過ぎた患者さんで矯正治療だけで治らない、治りにくい不正咬合があります。この場合、口腔外科の先生のお力をかりて、矯正歯科と口腔外科とチームワークで一人の患者さんを治療することがあります。骨格的な不正咬合の場合、噛み合わせは何とか治ったけれど、お顔が気になる、下あごが大きい、横にずれている、顎の骨をもっと引っ込ませたい、口をちゃんと閉じても、前歯が上下的にかみ合わず大きな隙間がある等と程度の強い著しい場合があります。
また、歯並びにとどまらず顔つきや唇の位置、顎の先端な改善などいろいろのご希望を持った患者さんが多くなっています。このような場合、矯正治療は行わないで、外科手術だけで治るかと言えばそうはいきません。外科手術だけしてもよくかみ合うようにはならないからです。綿密な治療計画を立て、手術の前に約1〜2年位矯正治療を行います。そして時期がきたら、患者さんの了解の元に、口腔外科の先生と連絡を取り合い、手術の方法や計画、日程等を決定します。骨格性の重度の不正咬合の場合、下顎だけを手術するか、上顎も同時に手術するかその程度によって異なります。手術によって咬合の位置を最適な状態にして、上下の歯を固定しておきますので顎を動かすことはできません。そのため、手術後の当分の間は、チューブによる流動食になります。
また、手術部位の治り方にもよりますが、通常3〜4週間位の入院が必要になります。退院後は、矯正治療の仕上げを行います。通常、半年から1年くらいかけて細かいかみ合わせの調整や個々の歯の位置、配列についての仕上げをしていきます。そして、良好な状態に達したら、固定式装置を除去して、保定装置を装着になるわけです。いずれにしても、外科手術を併用することにより大きな効果が生まれ、劇的な改善が得られますので、この方法により治療を希望する患者さんが増えてきています。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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