歯並びの治療について(33)研究3 

今回は研究紹介-顔だちと不正咬合についてです
。 以前にこのテーマで少し述べましたが、さらにもう少し考えてみましょう。私達、日本人は人類学的に蒙古系民族といわれ、欧米人とは人種的に異なっていると考えられています。欧米人の顔の骨格は頭が前後的に長く、比較すると我々の民族はそれが短く、その反面、顔の横幅が大きい傾向にあるといわれています。それでも私達日本人も顔が面長な人もいれば、がっちりと角張った人もいて千差万別です。
イギリスのミュウ先生の研究では、顔立ちが面長な人には不正咬合が多く、逆に丸顔の前方向への発育傾向の強い人には不正咬合が少ないと結論づけています。そして、これは遺伝的な要素で形成され、出生後の環境的な因子によることが多いと言っています。
つまり、我々現代人は空気汚染やハウスダストその他の原因で、アレルギーを発症して正常な鼻呼吸のできる人が少なくなり、口呼吸の割合が多くなり、そのためいつも口を開けたり、舌を歯で咬むことが多くなったり、飲み込むときに前歯の間に舌を押しつける傾向が多くなっていると考えられます。
そのため、上顎、下顎が下方に位置してくるようになり面長な顔になりやすいと言っています。そしてその結果、顎の大きさも小さくなり、カルシウムたっぶりで大きく育った永久歯を充分に並べるだけのスペースがなくなり、前突してきたり、叢生が出てくるというものです。
前回お話しした、咬み合わせの力を計る歯科用検査器を使って調べてみると、やはり面長な人と丸顔の人には差があることがわかりました。
つまり、面長な人は平均的にがっちり丸顔の人に比べて、咬み合わせ接触面積も小さく、咬合力も弱い傾向にあります。勿論この面長になる原因は単にこれらのことだけでなく、ソフトフードに関係した食生活など複雑に絡んだ多くのことが原因になっていることは言うまでもありません。それでもミュウ先生の警告は一理あると思いませんか?


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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