歯並びの治療について(34)材料 

今回は矯正歯科材料器具の発展についてです。 材料器具は、随分と進歩改良されました。30年以前は固定式装置を作成するには患者さんも矯正歯科医も苦痛・不便さが多く現代よりももっと大変でした。とは言っても、全てについて快適さが要求される現代ですから、相対的に感じる苦痛は、患者さんにとっても歯科医師にとっても同様の比率なのかも知れませんがね。
矯正歯科治療に用いられる材料器具の進歩、診断や術式の改善と共に種々の基礎研究の結果が臨床に生かされ、治療内容の考え方が進歩し、より効率化されたものと言っても過言ではありません。歯の上に金具(ブラケット)を直接接着する方法が一般的となり、これも高分子化学の進歩により、精密な合成樹脂でできた製品が多く用いられるようになりました。
そのため金属より目立たなくなり、成人の方にも喜ばれるようになりました。しかし、全く目立たなくなったわけではなく、最近はむしろ、どうせだったら派手にそして、目立っても気にせず、カラフルなリングでワイヤーを結紮し遊び心充分のオシャレを楽しむ方もいるほどです。
その接着剤そのものも進化して歯質や歯の神経にも影響を与えず高度な接着力、外すときもスムーズに行えるものが開発され、光で短時間で硬化させます。また、ワイヤーも従来のステンレスからニッケルチタンからベーターチタンなど種々の超弾性のワイヤーが開発され、歯の移動がスムーズに適正位置で行えるようになりました。
ブラケットの上につけて歯を移動させるゴム紐のようなものを使いますが、現在ではこれに合成樹脂性の紐を用います。これは中腔にあるチューブ状のものでその構造のゆえに2〜3週間たってもほどけて来ず、確実な歯牙移動が行われるわけです。その他、種々の新しい材料が開発されてきていますが、臨床の現場を配慮した地道な研究の成果によるものです。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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