歯並びの治療について(37)親不知 

今回は、親不知の埋伏歯について考えてみましょう。
親不知というのは、親に反抗する親不孝な子供を指すのではなく、親が知らない間に生えて来る歯のことです。この歯は平均的に18歳以降に生えてくるので、子供の頃から注意深く監理していた親でも子供が高校生になるころから見なくなり(子供も見せなくなる場合が多い)、親が知らない内に生えてくるのでそのように言うのです。
正式には第3大臼歯といいます。
親不知の埋伏歯は正規の位置にはえて来られず、手前の第2大臼歯の後方で埋まったままの状態になっている場合があり、その状態を指します。これはその歯が生えるだけのスペースが骨の上で充分になく、特に下顎で見られます。その埋まっている親不知は、ほとんどの場合自然に生えてくる可能性はなく、埋まったままになってしまうばかりか、運悪く感染すると、顔が変形するほど腫れることがあります。その埋まっている状態ですが、下顎の場合完全に横になって水平になっている場合や、手前の第2大臼歯に斜めになって寄りかかるようにしている場合などいろいろ異なります。
斜めになって一部口の中でも見える場合は、特に食べかすがはさまりやすく、歯ブラシもとどき難いので残りやすく、腐敗して歯ぐきの内面に炎症を起こし、腫れる原因や第2大臼歯に虫歯をつくります。ですから気がついたり、歯医者さんに指摘されたら抜歯した方が無難です。
ただし、ちゃんと真っ直ぐに生えていて手前の歯が悪かったりしている場合は、親不知のその歯を有効に活かせる場合がありますので、歯医者さんによく相談した方がいいことは言うまでもありません。
いずれにしても現代人はこの第3大臼歯を、充分に生えるだけのスペースを持っている人が少なく、埋伏歯の状態になる人が多いようです。矯正歯科ではこの親不知が第2大臼歯を押しながら生えてくる場合が多く、せっかくきれいに配列した歯並びのバランスを崩す場合があり、抜歯することを勧めることが多くあります。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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