歯並びの治療について(40) 習癖

不正咬合の成り立ちについて前回も述べましたが、それ以外について考えてみましょう。歯に力が加わると歯は移動していきます。これを利用したことが矯正治療です。後天的な原因のうち、悪習癖について考えてみましょう。
先ず、舌の癖があります。常時、歯は舌の圧によって内側から力を受け、外側からは唇や頬の圧を受けバランスをとっています、しかし舌の癖があると舌の力が強すぎ上の前歯が前方にでたり、上下の歯の間に咬む癖が強いと前歯が開いて噛み合わなくなったりします。これは矯正治療を困難にするばかりか、矯正治療の後戻りの原因になることもあります。
次に指しゃぶりがあります。最もよく見られるのは親指を吸う癖ですが、左右両手を吸う重傷者もいます。3歳くらいを過ぎてもまだ残っている場合、上顎前歯の前突や開咬を生じます。子供の情緒や精神的な欲求によることも多いので頭から止めさせること問題があるのかも知れません。しかし、これは歯並びに影響を与えることは確実ですので、出来るだけ止めさせておいたほうがいいことは間違いありません。歯並びが悪くなってから止めさせるのは結構苦労しますし、3歳以前に影響がでているお子さんも少なくないからです。
次によく見られるのは、唇を咬んだり、吸ったりする癖です。下の唇を咬んだり吸ったりしますので、上顎の前歯の前突や下顎の後退がでてきます。咬む癖は、上顎の前突がひどくなれば益々助長され、それが更にひどくなるという悪循環になります。
どのような癖もひどくなれば口を開く機会が多くなり、さらに下顎が後退します。そして口呼吸がでてくるため、鼻で呼吸をすることも少なくなります。そのため鼻の機能の発達が遅れ鼻閉を発現させます。これらが著しくなると顎が下方・後方に位置してくるのも容易に推察されます。幼児の骨は軟らかいのですぐに変形してくるのです。


内容

……………………………………………………………………………………………………………………

著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

北總矯正歯科