歯並びの治療について(42) 不正咬合の後天的原因

歯並びと遺伝について考えてみましょう。
親の歯並びは子供に影響するでしょうか?
確かに親に似ている歯並びを持った子供は多く、素質は類似します。大きい歯を持ったお父 さんと小さい顎のお母さんから生まれた子供の歯並びは、凹凸の状態 の方もいらっしゃいます。もし、親の持っている素因だけで歯並びが 形成されるとすれば、その家系はみんな同じ歯並びですし、双生児も 全く同じ歯並びや不正咬合になってしまいます。ですから、後天的な 要因も多々あると思います。その中の問題として、先ず筋肉の問題が あります。筋肉が弱いと、咬む力が弱くなり顔面骨格の発達も遅れま す。そして、下あごを上前方に上げる力も弱くなり、コントロールす る力がなくなり、いつも下方に下あごを位置させ、顔全体が垂直的に 長くなります。すると顎が細く狭くなり、叢生などの不正咬合が発生 しやすくなってしまいます。次に、開口の状態がいつもあると、やは り、舌を下方に位置させたり、舌を咬んだりする癖が出たりして下あ ごが下方に位置させるようになってしまいます。そのため、上あご自 体の前方に対する発育も遅れ、下方に位置するようになってしまいま す。これらの場合最初は鼻が悪くなくても習慣的に口呼吸をするよう になり、小児では、鼻の発育も遅れたりして、結果的に鼻閉が起きて しまいます。慢性的な鼻詰まりが生じてしまうと、常に口呼吸が起き るので、下あごを常に下方に位置させ、垂直的な問題が必然的に生ず るのです。開口、鼻閉、呼吸、下あごの位置、垂直的な問題、不正咬 合これらは常に密接な関係にあるのです。これら全て後天的な問題で す。親から受け継いだ素質を変えて子供独自の顔貌、不正咬合を造り 上げてしまうことが、容易に想像できますよね。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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