歯並びの治療について(43) 不正咬合の後天的原因2

前回は、鼻閉や呼吸その他機能との関連で不正咬合の後天的原因を述べましたが、今回はその他の後天的原因を考えてみましょう。まず、外傷があります。顎の骨や歯を取り巻く骨の外傷骨折があると、その時の整復固定が適切に行われないと不正咬合のなります。乳歯の永久歯への交換が、適切に行われないと不正咬合のなります。あまり早すぎて、すなわち次の永久歯が生えてくる前に乳歯が外傷やムシ歯で抜けてしまいますと、ガイドを失った初心者の登山家のように、どこに生えて良いか分からず迷子になって道を失い、とんでもない位置に生えたりしてしまいます。また、顎の骨の中で埋まったままになる場合もあり、他の歯並びに影響が出ます。これとは逆に時期が来ても乳歯が抜けないで、その下にある永久歯が脇から出たり、全く違う場所に生えたり、生えないで埋まったままになる場合もあります。これは乳歯に神経までおよぶムシ歯があったり、乳歯の根の治療を受けていた場合に正常に歯根吸収が起こらなかったりした場合に生ずるものです。次に、永久歯にムシ歯があったり、歯周病があったりした場合も不正咬合の原因になります。咬む相手の歯や隣の歯は、緊密接触が薄れ、歯や歯並びが移動して変化していくのです。歯周病がひどくなると、歯の支持が弱くなり咬合力や周囲の筋肉の圧によって位置が変化していきます。上下前歯が前突したり、歯の間に空隙が出来たりしてきます。また、種々の原因で歯を失った場合、適切に治療して、補って必要により人工的な歯を入れておかないと残っている歯は均衡を失い、歯並びが悪くなり咬み合わせにも影響が出てきてしまいます。このように後天的な不正咬合の原因には多くの場合がありますので、健康的な生活と共に歯を大切に管理して、さらに定期検診を受けることが大切です。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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