歯並びの治療について(6)その他の不正咬合について

これまでこの欄で述べてきた上顎前突、反対咬合、叢生は不正咬合の代表的なものですが、それ以外の不正咬合としては、上下の歯が咬み合わないで垂直的に隙間のある開咬、顎が横にずれている交叉咬合、生えて来ないで埋伏している歯などなどいろいろあります。
開咬は、前歯や奥歯で見られたりしますが単に歯だけに見られる場合と、骨格的に骨自体に異常が見られる場合があります。上下の歯が開いて咬み合っていないのですから、物が食べにくく発音も不明瞭で患者さん自身も深く悩んでいるかたが多く、不正咬合のなかでも重症度が高いと言えます。幼児期に指しゃぶりや舌の癖で前歯にできた開咬が思春期以降に骨格的になる場合もあります。
交叉咬合は、偏側での咬み癖や頻繁な頬杖、外傷などで生ずるとも言われていますが原因が不明確のことが多く見られます。これらの場合だけでなく全ての不正咬合は、骨格的な状態が著しくなると単に矯正治療だけでは不十分で、口腔外科手術との併用で治療することもあります。これは顎変形症と言い、成長期を過ぎた20歳前後からが適応となり、手術のまえから矯正治療が必要になりますので、矯正歯科医、口腔外科医との密接なチームアプローチがおこなわれます。手術を避けることからも早期からの矯正歯科的な治療管理が重要となりますが、遺伝等も伴う骨格の自然の成長が関与するわけですから、現代歯科矯正学でもまだまだ計り知れないこともあり、非常に難しい不安定な不正咬合の方もいます。不正咬合はひとつのものが単独で存在することは稀で、今までお話しした不正咬合がそれぞれ絡み、複合的な不正咬合になっていることが多くみられます。
例えば、開咬や交叉咬合が上顎前突、反対咬合、叢生などと一緒に見られることはごく一般的で、その重症度、難易度が高くなります。


内容

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著者略歴
北總征男 (Yukio Kitafusa)

1942年 千葉県生まれ
1968年 東京歯科大学卒業
1972年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1972-2002年 東京歯科大学講師(非常勤)
現在 千葉県旭市にて矯正歯科開業



北總矯正歯科

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